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【読書記録】恩田陸「蜜蜂と遠雷」映画を観てからの小説。二度楽しめました。

「蜜蜂と遠雷(上)(下)」恩田陸
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おすすめ度★★★★☆(4.3)

作品について

直木賞、本屋大賞をW受賞。
上巻約450ページ、下巻約500ページ。読みごたえありまくりな2冊でした。
雑すぎるあらすじを書きますと、ピアノのコンクールで天才たちが競いあう話です。
映画化されており、私は先に映画を観ました。(正確には、本を数ぺージ読んで脱落した…結果、映画で観た!)

主な登場人物

◯栄伝亜夜(えいでんあや)
…かつての天才ピアノ少女。母が亡くなったあとのピアノコンサートをすっぽかし、天才ピアノ少女は姿を消す。が、20歳になり、今回のコンクールに姿を現します!!(*’ω’ノノ゙☆パチパチ

◯奏(かなで)
亜夜の音楽友達??亜夜のコンクールに付き添って、面倒を見てくれる素敵な人物。映画には出てこない人。

◯マサル・カルロス…(すごい長い名前)
コンクールに出てくる19歳イケメン。ピアノうまうま王子。さらに性格も素敵。惚れる。亜夜とは実は小さい頃一緒にレッスンを受けた仲だった。

◯風間塵(かざまじん)
謎の少年。驚きなのが、音大も出てないどころか、ピアノをもっていない!しかし!!めちゃくちゃ天才的な演奏をする。すごすぎる。ありえない。
耳がとてもよく、「蜜蜂王子」と呼ばれる。ハンカチ王子みたい(笑)

◯高島明石
働きながら、そして家族をもちながら音楽家を目指す人。この登場人物はいい味出します。

◯審査員たち数名
ナサニエルと三枝子の会話、見所。

感想

私は映画を先に観て「素敵!!」と思ったのですが、映画後ならば小説もすらすら読むことができました。むしろとても楽しめました。

よく、原作→映画の順だと「原作の方がよかった、、」となりませんか?
数人の映画リポート読んできたのですが、「原作の方がよかった」派の方が多かったのです。その点、映画→原作の順で見たので、映画でわからなかった部分がわかったり、映画との違いを感じたりしてとても楽しめました。


【原作を読んでよかったと思ったこと】

◯タイトル「蜜蜂と遠雷」の意味や、映画に出てきた謎の馬についてわかった。
映画を観ただけだと「え?タイトルとどんな関係があったの?」とサッパリでした(笑)ってかそもそも塵が養蜂家の息子だったんですね。そこからわかってなかった(*-ω-)謎の馬も何度と出てくるけど意味不明だったのです。謎が解けてよかった!

◯名前にも実は…という気づきがあった。
マサル=「勝」、塵=「ダスト」と、本を読んで「なるほどー。」と。名前から差がついてるというくだりがあって、映画では気づけませんでした。

◯「音楽を文字で表現する」ということを体感。実感。
なんといってもここです。
映画を観たときに、これ、どうやって文字だけで表現するの?と思っていました。今回私は、知らない曲はYouTubeで曲を検索し、聴きながら読みました。「へーこの曲をこんな風に言葉で表現したのねぇ。」とえらそうに考えながら読むのがとても楽しかったです。



【映画と原作の違いで一番気になったこと】

本選でマサルがプロコフィエフの3番を弾く描写が出てきます。
いつも通りYouTubeで聴いて驚きが(;゚д゚)
「あれ?これ映画だと亜夜が弾いてたような、、?」!!!!!!

すぐに調べました!!
すると、映画と原作では、亜夜とマサルの本選の曲が入れ替わっているということでした( ゚Д゚)

〈映画〉
プロコフィエフ3番…亜夜
プロコフィエフ2番…マサル
〈原作〉ではこの逆です。

プロコフィエフ3番はド派手で映画の山場にもなるような素晴らしい音楽でした。映画が映えるように入れ換えて亜夜に弾かせたのかな?と思ったのですが、この方↓の考察【2.7 映画版の亜夜はなぜ『ピアノ協奏曲第3番』を弾いたか?】を読んで「すげー」と思ったので勝手に紹介いたします、、。映画も原作も読んで気になる方がいましたら、ぜひこの方の考察も見ていただけると。興味深かったです。
【ネタバレあり】映画『蜜蜂と遠雷』感想・解説:天才同士が作り出すイメージの世界の共鳴に震える! | ナガの映画の果てまで

お気に入りの文で締めくくります

下巻のラストの方の言葉です。

数千回、数万回演奏されてもすりきれることのないメロディ。何度聴いても感動する、常に人間の心のツボを押すメロディ。

共感共感。
私はクラシックが大好きピアノ大好き人間なのです。
ほんとにそう。特にショパン様。

どんなに汚くおぞましい部分が人間にあるとしても、そのすべてをひっくるめた人間というどろどろとした沼から、いやその混沌とした沼だからこそ、音楽という美しい蓮の花が咲く。

ほんとそう。
芸術はみんなそうだと思う。
喜び、悲しみ、苦しみ、いろいろ経験して生み出すからこそ、人の心に響くような美しい作品が生まれるのでしょう。


まだまだ書きたいこと、細かい感想はたくさんありますが、ここらへんにしておきます。

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